現在マッチングサービスの知名度が、お茶の間まで広がり上がってきています。
このマッチングが医師の世界では前から導入されてきました。
マッチングとは簡単にいえば、お互いの合意に基づき物事の決定を行っていくことです。
イメージ的にはお見合いが近い感じかもしれません。
この記事ではマッチングまでにするといい病院見学や注意点をまとめ、解説しています。
目次
医師になるには大学医学部を卒業し医師国家試験に合格することが必須の条件です。
しかし合格したところですぐに現場で働くようになるわけではありません。
合格後、医師免許取得後は2年間の初期研修、3~4年間の後期研修を経験することになるのです。
今まで研修先は出身大学病院などが大半のパターンでした。
しかし数年前から、どこの病院で研修を受けてもいいということになったのです。
都心部と地方での雇用格差といった状況を改善するためにも、マッチングが役に立っています。
また、マッチングサービスの参加資格として医学部既卒者でも参加資格があります。
必ずしも在学中である必要はありません。
参考リンク:医師臨床研修マッチング協議会|マッチング参加資格
医学生は4~5年生の夏休みごろに自分が気になっていたり、興味があったりする病院をピックアップします。
そして見学や実習をするためにピックアップした病院へ行きます。
その際には複数の病院へ足を運ぶことで、現場での雰囲気や指導医、勤務条件といった情報を収集していくのです。
その後、6年生の夏前にはマッチングシステムに登録して希望病院の採用試験を受けていくことになります。医師志望者はマッチングシステムを利用することで、よりスムーズに研修先を決めることができるんです。
これは医学部でない一般学生が企業研究をおこない、夏休みを使ってインターンに行くのと、変わりありません。
マッチングにより医師への第1歩をふみだすにも、自分が興味を持っている病院には事前の病院見学をおすすめします。
病院見学へ行く際に注意したいことをここではまとめました。
病院によっては白衣や名札、聴診器などを持参に指定しているところもあります。
事前に確認することでミスやロスを減らすことが可能ですよ。
また、複数の病院見学が続く場合には、ほかの病院と混同しないよう特に注意しましょう。
そしてスマホの電源は、病院に入る前に切っておきましょう。
病院によっては見学終了後に、面接や筆記試験などを実施する場合もあります。
見学の際の印象が選考試験への評価につながる可能性がないとはいえません。
積極的な気遣いや礼儀のある態度を心がけていくといいでしょう。
また、積極的なコミュニケーションをとることで、ホームページやパンフレットには書かれていない病院の雰囲気を肌で感じることもできます。
病院の関係者との会話では、言葉づかいにも注意をしましょう。完璧な敬語はなかなか難しいかもしれませんが、普段友人に話すような態度であると、のちに影響することも考えられます。
マッチングの担当者は忙しい病院勤務のなかで、見学者のためにわざわざ時間を割いています。
そのため遅刻をすると担当者のスケジュールが崩れてしまう可能性もありまし、質問をする機会をなくしてしまうことにもつながります。
それでも公共交通機関の影響などでどうしても遅刻するような場合もあると思います。
そうしたときは、わかった段階で早めに連絡してきちんと謝罪をおこないましょう。
選考試験には大きく2つあるといっていいでしょう。
筆記試験と面接試験です。それぞれもう少し詳しく見てみます。
筆記試験で求められるものは「医学知識」が圧倒的に多いです。
続いて臨床問題、一般問題となります。難易度に関しては病院によってばらつきがあります。
国家試験レベルのものもあれば、形式も論述や選択問題などさまざまです。事前に調べておく必要があるでしょう。
筆記試験の対策としては過去問をしっかりと解いておくことが重要となるでしょう。
ときには、過去問がほとんど同じ形で出題されることもあります。
また、難易度の高い部分は後回しにして確実な問題から順に解いていくと筆記試験の後半で「気がつけば、まだ数問しか解いていなかった!」という事態を防げます。
そして病院によっては小論文を出題されることもあります。
小論文のテーマはさまざまですが、日頃から医療に関連したテーマの情報収集をしておきましょう。
先輩や担当先生に小論文の書き方について見てもらうのもいいでしょう。
面接試験では「ゆっくりはっきり自分のことばで」ということを心がけます。
面接中、失敗をせずに話すためにも事前に練習をしておくといいです。
また、練習の回数を重ねるにつれて面接に慣れすぎてしまい、本番で緊張感を失わないよう注意しましょう。
面接は第一印象が大切になりますので、身だしなみはしっかり整えましょう。激しい寝ぐせがあったり、派手すぎる化粧は厳禁です。
見かけに関することで、ネガティブな印象をあたえないためにも気をつけていきましょう。
医学部の就活ともいっていいマッチングについてこの記事では紹介しました。
このマッチングサービスは2004年から本格的な転換点を迎えています。
その背景として初期臨床研修の必修化がありました。
医師になって現場に出るにはマッチングをしたのちに、初期研修、後期研修をうけることが必要になってきます。
日本では、医学部に入ることは非常に難関だといわれています。
毎日勉強を続けて無事に医学部へ入学できたとしても、学内で6年。そして医師免許を獲得しても、またさらに6年間の研修を続けていきます。
臨床の立場ではそれだけの勉強量がなければ、仕事を任せられないということです。そして、「絶えず意識的に勉強し続けること」が医師の精神としてとても大切なことでもあります。
大事な夢の一歩のためにも、マッチングへの対策を練り、着実に医師の道へ向かっていきましょう。
転職お役立ちコラム
医師が「転職」を考える理由
医師として働くうえで知っておくべきこと
医師の職種
医師の転職活動の流れ
医師向け転職サイトの活用法
医者がフリーランスになるメリットとリスク