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病気の原因を特定する「病理医」とは?仕事内容となり方を解説します

みなさんは「病理医」という言葉をご存知でしょうか?

「聞いたことはあるような気もするけどよく分からないなあ」という方がほとんどかと思います。
2016年に放映された病理医を描いたテレビドラマ「フラジャイル」で取り上げられたぐらいで、ほかの専門医にくらべて、あまりメディアなどで取り上げられることの少ない職業です。

また、さまざまな専門医のバックアップ的なポジションのため、患者さんと直接会うことがほとんどありません。
そのため一般にはなじみの薄い職業ですが、実は病気の治療方針を左右する重要な役割を担っている職業です。

この記事では、病理医が実際にどんな仕事を行っているのかをお伝えします。
そのうえで、病理医のすごいところや、現状で問題となっている点をまとめました。
さらに病理医になるためのキャリアパスなどの情報を解説します。

病理医とは何をする医者?

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病理医とは病気の診断を専門的に行う医者のことです。

病理医は医者の業界ではドクターズドクターと呼ばれています。

ドクターズドクターとは医者のための医者ということですので、医者のカウンセラーのような役割を果たします。

高度化した医療の分野ではますます分業化が進んでいますので、専門医の知識だけではカバーできない領域も多く存在しています。
そこで、その病変部位が何の病気かを特定する診断を病理医に託したり、相談したりすることによって、医療全体の信頼性の向上をはかるのです。

 

病理医が行う3つの仕事

病理医の行う仕事内容は3つに大別されます。

まず病理解剖です。
病院で亡くなった人の死因がなんであったのか、あるいはその治療が妥当であったかどうかを検査し調べることで、今後の医療に役立てるために行います。
生前の臨床診断や画像診断では判断のつかなかった部分に関しても直接アプローチできるため、より正確な診断が可能です。

つぎに組織診断です。
外科医や内視鏡医が採取した病変部位を主に顕微鏡などで観察し、その病気の診断を行います。この際に採取された病変部位のことを検体といいます。
また、手術中に採取した検体の診断を行う術中迅速病理診断も業務内容の1つです。

最後に細胞診断です。
産婦人科医による子宮表面からの細胞採取や、外科医による乳腺などの病変部位からの細胞採取を検査し診断を行います。
病気や怪我だけでなく、手術や医療行為によって身体を傷つけること全般を“侵襲(しんしゅう)”と呼びますが、「細胞診断」は「組織診断」にくらべて、この侵襲が小さくて済むのが特徴です。

いずれの診断も医療における治療方針、手術方針など、医療行為の分岐点にあたる大切な判断を行う仕事です。

 

病理医はこんなところがすごい

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病理医は医療現場において広い範囲に対してアプローチ可能な職種です。

病理医は病理解剖を行うため、各科の専門医にくらべると、より全身がどのような状態であるか診断することに関して精通しています。
また全ての専門科から検体が送られ日々診断を行っているので、病気の総合的判断が可能です。
全科を横断しながら医療を横に広げてつないでいくようなアプローチができるということです。

また、病気の原因に対する研究は日々行われ進歩していますので、その診断を専門に行う病理医は研究職を兼ねている場合も多いです。
そのため博士号などの学位を取得している医師も多いですし、ガン細胞からDNAを抽出して行う遺伝子解析も盛んです。
こういった病因に対する、より専門的で縦に掘り進むようなアプローチも可能ということです。

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病理医の置かれている現状

つぎに病理医のおかれている現状をお伝えします。

厚生労働省の統計によると、全国の医師数は300,000人を超えていますが、現在の病理医は2,500名弱程度です。
内科は60,000人、外科は14,000人、整形外科で20,000人ですので、ほかの専門科医にくらべると少ないのが現状です。

また病理科を設置している病院はそのほとんどが中規模以上の比較的大きな病院に限られています。
これは、病理解剖に診療報酬がつかないために、その費用が病院側の持ち出しとなってしまうといった経済的な理由が考えられます。そのため研究機関を併設しているような比較的大きな規模の病院でないと経済的な負担が大きいのです。

また、病理医自体が、その専門医の資格を取得するまでに年数がかかるため、病理医をめざす成り手の数が少ないといったことなど、さまざまな理由が考えられます。

病理医は通常は患者と対面して医療を行うことはありません。
そのため患者の都合に左右されにくいです。
また研究者的な立場も可能なため、時間に対する自身の裁量は大きいといえます。
このため、 “Quality of Life”を重視する人には働きやすい労働環境といえるでしょう。

 

どうしたら病理医になれる?

それでは実際に病理医になるにはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。

まず6年間の大学医学部を卒業後、医師国家試験を取得し「医師免許」を取得します。
その後大学を卒業し4年間の病理医研修期間を経た後、5年目以降に病理専門医の資格が取得可能になります。
この4年間のキャリアパスには大きくふたつが用意されています。
ひとつは大学院に進み学位取得をめざしながら専門医をめざす道です。
研究と専門医研修の両立をはかります。
もうひとつは、病理専門医研修に認定された一般病院の病理科で研修医として経験を積み病理専門医をめざすという道です。

実際の病理専門医の認定は、日本病理学会が試験を行い認定します。
その際には下記のような病理医としての十分な経験が必要です。

  • 4年以上の病理学診断の研修施設における経験
  • 40体以上の病理解剖の症例数
  • 5000件以上の組織診断の症例数
  • 50件以上の手術中迅速診断の症例数
  • 1000件以上の細胞診断の症例数

詳細内容は日本病理学会のサイトでチェックしてください。

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まとめ

病理医の概要がご理解いただけたでしょうか。

病理医は病理解剖、組織診断、細胞診断の3つの仕事を中心に、病気の診断を専門的に行う医者のことです。
まず、より正確な死因と治療の妥当性を調べるための病理解剖。
つぎに、すべての科からの検体をもとに、主に顕微鏡を使って行う組織診断です。
さらに手術中に採取された検体に対する術中迅速病理診断も行います。
ほかにも、注射器などで採取した細胞に対する細胞診断も大切な仕事です。

これらの仕事を行う病理医はからだ全体を幅広く扱うため、病気に対する総合的判断が可能でその高い能力が求められます。また病因を特定するという分野において研究職を中心に行うことのできる職種でもあります。

実際に病理医になるには、6年生の医学部を卒業した後に、4年間の病理医研修を経て病理専門医の資格取得をめざすことになりますので、その資格を取得するまでには、多くの時間と労力が必要です。

ますます高度化する医療業界において、病気の原因特定を専門に扱う病理医の役割は重要なものであり、その仕事に対するニーズは高まっています。
この記事を機会に病理医にご興味を持っていただければ幸いです。

 

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